府立高の土曜授業「週5日制に反する」 教委が改善指摘

2007年03月17日 asahi.com > 関西
 学校行事の「公開授業」を土曜日に組み入れ、ほぼ隔週で実施していた大阪府立高校5校が、「学校週5日制の趣旨に反していると疑われる」との指摘を府教委から受け、4月から公開授業を3分の1程度に減らす。昨秋、全国の高校で必修科目の履修漏れが発覚し、学校のカリキュラム自体に厳しい目が向けられたため、府教委も配慮せざるを得なかったとみられる。だが、公立高の土曜公開授業は全国で拡大傾向にあるだけに、学校側には「なぜ大阪だけなのか」との不満も広がっている。

 「塾から聞いたんですが、もう土曜日に授業はしないのですか」。1月下旬、中学受験を控えた小学生の保護者から、ある府立高に電話があった。中高一貫の私立か、高校から公立の進学校に通わせるかで迷っているという。校長は「公開授業は少し減りますが、補習はしっかりやりますよ」と説明したが、相手は「よく考えます」と言って電話を切った。

 学校教育法施行規則の改正で、完全週5日制に移行した02年度から土日は休業日となり、正規の授業は組めなくなった。ところが、授業時間が減ったのに、大学入試のレベルは変わらない。このため、どこかで補わざるを得ず、府立高の7割近い約100校が土曜に補習をしている。

 ただ、補習では希望者しか集まらず、学習の進み具合にばらつきも出る。大学進学を重視する高校では平日の授業時間を増やしたが、放課後の部活動の時間が圧迫される弊害もあり、平日の一部の授業を土曜に振り替えられるよう求める意見が多かった。そこで、府教委は学校行事としての公開授業とすることを条件に、今年度から事前に届け出る形で土曜の授業を認めることにした。

 これを受け、北野、茨木、寝屋川、泉陽、三国丘の5校が昨年4月から土曜の公開授業をスタートさせた。だが、年間15~16回にのぼるうえ、「公開」と言っても見学者がゼロという日も少なくないことから、府教委は昨年末、「通常授業と変わらないとの誤解を与えかねない」として各校に口頭で改善を求めた。

 学校側は「1年かけて定着し、成果も出てきている」と難色を示したが、新年度から公開授業は年5回程度にとどめ、残りを補習に切り替える方向で検討している。

 改善を求められた府立高の管理職は今も不満顔だ。「週5日制に縛られない私学は土曜の授業を売り物にしている。これでは競争にならない」

 専門家によると、私学との競争が激しい首都圏を中心に、公立高校で土曜の公開授業を導入する動きが広がっている。

 都立八王子東高校は今年度、土曜に18回の公開授業をする。北沢好一校長は「授業時間の確保と部活動を両立させるため、公開授業を活用している。公開することで中学生らに本校の教育実践を正確に伝えられる」と意義を強調。この1年で、東北や九州などの学校などから20~30件の見学申し込みがあったという。都教委も4月から、これまで休日に出勤できなかった非常勤講師について公開授業ができるよう規則を改正する。

 埼玉県では今年度から、大宮など3校で公開授業がスタートし、新年度からはさらに4校が追加される見込み。長野県でも今春から3校で導入され、ほぼ隔週で実施される予定だ。

 文部科学省教育課程企画室は「土曜の公開授業をどの程度まで認めるかは、各教育委員会の判断。週5日制の趣旨を逸脱しないようにしてほしい」としている。


PAGE TOP