2008年春 公立中高一貫校の入試問題

学力検査をせずに子供の学力を把握する??

平成20年度入学者選抜適性検査

公立の中高一貫校は、受験競争の低年齢化を招かないようにという文部科学省の通達により、いわゆる「学力検査」は行わないとなっています。これは、学校教育法施行規則でも定めてられている立派な規則。よって、私立の中高一貫校が入試で出題するような小学校の学習指導要領を越えた内容は出題しないのが建前となっています。

もちろん、だからといって入試がないわけではなく、学力検査の代わりに適性検査が実施されます。

しかし、この適性検査がまた難題です。例えば、読売新聞で要約が出ていましたが、こういう問題が問われています。

【公立中高一貫校で出題された適性検査の例】(要約)


東京・小石川中等教育学校
■ゼリーの上に生のパイナップルを置くとゼラチンを分解し、ゼリーがとけてしまう。ゼリーが崩れたほかの説明を考え、その説明が正しくないことを確かめる実験とは?

千葉・千葉中学校
■障害者用駐車場にカラーコーンを置くことへの賛否とその理由、自分とは反対の意見の人の理由を書く。

東京・桜修館中等教育学校
■身近な水を例に「水のかたち」という題で考えを書く。

新潟県統一検査
■「地域が元気になる交流会」の計画を立てて意見を発表、グループでよいところを取り入れるよう話し合う。


いかがですか? 骨が折れるでしょう?

このほかにも公立中高一貫校では出題した適性検査の問題を公開している学校が多くありますから、ぜひ一度まずは親の方が問題を見て、実際に解いておいてみてほしいと思います。

そうすることで、家庭で親がどう子供に問いかけていくことが必要なのかがわかります。

公立中高一貫校の適性検査の問題は、すぐに適応できない子供も多くいますので、早めの準備が必要と思います。しかし、くれぐれも私立の中高一貫校で出題される問題とは明らかに傾向が違いますから、お気をつけください。

以下、全国の公立中高一貫校の適性検査問題の紹介です。

さいたま市立浦和中学校

東京都立桜修館中等教育学校

東京都立両国高等学校附属中学校

東京都立小石川中等教育学校 適性検査Ⅱ

東京都立小石川中等教育学校 適性検査Ⅲ

東京都立小石川中等教育学校 解答例

平成20年度 和歌山県立古佐田丘中学校適性検査問題等

平成20年度 和歌山県立桐蔭中学校

岡山県立倉敷天城中学校適性検査Ⅰ

岡山県立倉敷天城中学校適性検査Ⅱ

千代田区立九段中等教育学校

こうやって1つ1つ見ていくのが面倒な人は、どーーんと問題集がオススメです。今年の適性問題は今年のうちに手にしておかないと来年はもう手に入らないかもしれません・・・

公立中高一貫校適性検査問題集 全国版

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滋賀県立中学校の入学者選抜考査の問題

学力検査をせずに子供の学力を把握する??

滋賀県立中学校の入学者選抜考査の問題

2008年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文
適性検査 

2007年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文
適性検査

2006年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文1
作文2

2005年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文1
作文2

2004年度入学者選抜考査の問題
出題方針
作文1
作文2

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公立中高一貫校の傾向その1

学力検査をせずに子供の学力を把握する??

まずは東京の九段中等教育学校の適性検査の問題を見てみましょう。

九段中等教育学校H18年適性検査2
18kudan.gif

九段中等教育学校H19年適性検査1
19kudan.gif

いかがでしょうか。各学校がそれぞれ工夫して「知識」そのものを聞く問題ではなく、「なぜそうなるのか」という問題を出題しています。九段中等教育学校もまさにそういう問題になっています。

ベネッセの教育開発センターの主席研究員鎌田恵太郎氏によれば、2005年度の公立中高一貫校の入試を精査し、問題を解く際に必要な知識・理解がどの教科と関連があるかを調べたところ、
国語19.2%
社会15.1%
算数22.9%
理科14.6%
家庭科/図工2.2%
道徳1.8%
特別活動7.8%
総合的な学習時間16.1%

となっているそうです。各教科満遍なく配置されていることは、この数値によってよくわかるのですが、目を見張るのが「総合的な学習」から16%近くの出題がなされているということ。単なる知識の集積としての解答ではなく、資料や図や写真から読み取ったり、身のまわりの自然の「なぜ?」を適性検査では問われているわけです。こういった問題には付け焼刃の知識では解答できません。ありきたりですが、普段から身のまわりのことに関心を持ち、好奇心を持って「なぜ?」を考えていく。ある意味では小さい頃からの家庭環境が問われていると言ってもいいでしょう。

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公立中高一貫校の傾向その2

学力検査をせずに子供の学力を把握する??

引き続いて、公立一貫校の入試問題を見ていただきましょう。ここで取り上げる問題はもっとも公立中高一貫校らしい問題といえるでしょう。最初に取り上げたのは、バーコードの問題です。身のまわりにある、また学校などでも頻繁に取り上げられるテーマでもあるでしょう。

平成19年度 沼津市立沼津高等学校中等部入学者選抜考査 総合適性検査問題Ⅰ 問題BH19.gif

ここでは自分の意見を述べ、かつ答えにたどりつくまでの道筋を考えさせる問題が組み合わされています。この問題は覆面算とも呼ばれ、その意味するところを読み取る数学的なセンスが求められます。公立中高一貫校では、この手の問題が多く出題されています。また、なぜそうなるのかを説明させる問題もよく出題されます。

もう1つは、平成18年度 沼津市立沼津高等学校中等部入学者選抜考査   総合適性検査問題Ⅰ

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7、学力検査をせずに子供の学力を把握する??

学力検査をせずに子供の学力を把握する??

公立中高一貫校について、文部科学省の見解として、

「公立の中等教育学校及び併設型中学校では、入学者の決定に当たって、学力検査を行わないこととしている」

となっています。

学力検査は行わないが、例えば,「面接,実技,推薦,抽選等の方法を組み合わせて行われる」こととなるというのも、文部科学省の見解。

しかし、戦後の歴史を振り返ってみても、共通一次テストからセンター試験への改革、学校群・総合選抜制の改革、ゆとり教育の導入など、文部科学省が主導してきた改革で当初の目的を果たした改革は皆無に等しいといわれています。

偏差値による大学の序列化や公立高校の没落、学力低下など、文部科学省が政策の舵を切ったその後、必ず最初の目的とはまったく逆の目を覆うばかりの結果が待ち受けていることを経験してきたわけです。

学費の安い公立の中高一貫校に大いに期待したいと思う。

しかし、これまで最初の目的とはぜんぜん違う方向に向かってきた愚かなな史というものもあるということを知ったうえで、考えていかないといけないと思うのです。


我が子はモルモットではありません。特に、これから公立の中高一貫校に子供を預けようとする方は、まだ結果が出ていない学校に子供を預けるわけですから、調べるにしても、調べすぎということはないはずです。

公立の中高一貫校が導入される際、

「学力検査を課さずに子供の学力を把握することはできるのか」という問題が議論されました。

せっかく6年間の一貫体制を取るにしても、入学者のレベルが低ければ、意味がないのではないか?

そこまであからさまな話ではないにしても、常に受け入れ側からは、文科省から命じられた学力検査を禁止を念頭に「入学者の学力が低下するのではないか」という問題が提起されてきたわけです。

そこで公立の中高一貫校は、学力検査によらない「総合適性検査」という名のテストを編み出したのでした。

総合適性検査は、学力検査ではないのか?

各県で作成されている「中高一貫教育推進会議」での議事録にいくつか目を通してみましたが、「総合適性検査は、学力検査ではないのか?」やこれら矛盾点について言及している個所は見当たりませんでした。

日本の役所の横並び意識からすれば、おそらく作文と適性試験が一般的になっていくと思われます。数年して、学力検査を課さないという最初の考えがどう変容していくのか、また解釈だけ変えながら、どのように変遷していくのかを見つめていきたいと思っています。

ネットで読むことができる報告書

宮崎県中高一貫教育校設置推進協議会概要

※宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校においては,調査書,集団面接,グループ活動等の適性検査,抽選により入学者を決定しているようです

「和歌山県中高一貫教育推進懇談会報告書」

神奈川県の中高一貫教育についての研究報告(概要)

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